僕の先のエントリでの阿比留記者への僕の「誹謗中傷」に対して、阿比留記者ご本人から冷静で懇切丁寧な反論を戴いた。
コメント欄のやりとりでは不十分と思われるのでここに僕の考えを記したい。
簡潔に要約すると、僕は産経新聞のメディアとしての不作為を「一方的」に非難している分けである。
その中で例えば阿比留記者がブログでは「後出し」で色々と「正論」を書かれるが、新聞記者の本務である新聞紙面の上で、現実に起こっている「政治事件」を的確にタイムアップして実際に生じている事を読者に知らせ、問題提起して「世論」への訴えを発揮して来たのかと云う事を問うている。
少し話を遡らせて見よう。
麻生内閣の頃、リーマンショックの世界的混乱の中で、麻生内閣が的確な経済政策に依って日本が世界の中で奇跡的復活を果たしつつある途上、産経新聞は「ホテルバー」「誤読」「ホッケの煮付け」「カップラーメン」「ヘロヘロ」・・挙げたら切りが無いが、全て麻生個人の人格攻撃に拠って「麻生内閣倒閣運動」に励んでいた。
何故、そうなったかはここでは触れない。
更に産経の経済記者は「兜町・
民主党銘柄」などを流しながら国民を政権交代へ誘導して行った。
これは既に歴史的事実であって否定はできまい。いやそうでは無い記事もあって時には麻生内閣を評価する記事も有ったと云っても詮無いことである。
産経新聞の全体の彩りは「アホ太郎キャンペーン」一色だったと断定する。
これは全ての読者も認めるだろう。
この頃、阿比留記者が何を書かれていたのか記憶に無いが、いずれにしてもこの様な「世論形成」の流れの中らで政局は「
解散総選挙」一色となり、「アホ太郎」から国民生活第一の「
民主党」への世論を作った。
産経新聞を含めて全マスコミから「アホ太郎」と宣伝された
麻生太郎は政権の座から転落した。
そして「
民主党政権」の誕生である。それ故、この政権の産みの母はマスコミであろう。当然ながら
民主党政権の誕生には産経新聞も責任がある。
その前提で話を戻そう。
2010年9月7日に中国人による尖閣領海侵犯事件が発生した。
そして、2010年9月24日に菅内閣は中国の圧力に屈して阿比留さんが言われる「超法規的釈放」を実行した。
阿比留さんが「超法規的釈放」と言及される以上は「
指揮権発動」を疑ったと云う事であろう。
指揮権発動は大きな「大事件」の筈である。この問題に対して言論機関としての産経新聞はどのように向き合って記事にしたのか?
この時、阿比留記者はどのような記者行動と取られたのか?
私が問うているのは「この時、この瞬間」の新聞としての報道実績である。
新聞の仕事は「権力のチェック」では無いのか?
私の様な小ブログが為すより遙かに大きな力を発揮出来るだろう。日々の取材や記者会見で「
指揮権発動の有無」と、政府が
指揮権を否定するならば沖縄地検検事正の越権行為を追求して「政府発表」の矛盾を突くことは容易い筈だ。
それが「報道」の中で為されたか?
菅内閣が「
指揮権」の責任を一地方検事正に責任転嫁し、有ろう事かその一検事が「外交判断」をしたと云う重大な職務権限違反の説明を「放置」したままスルーしなかったか?
一度だって「
指揮権発動の有無」を政権に詰め寄ったか?
一応聞きましたが否定したから仕方が有りませんでは仕事ではない。
「ホテルバー」や「ヘロヘロ」で発揮した同じ新聞の破壊力をこの重大な国家の法理問題では発揮したのですか?
指揮権問題は、少なくとも「麻生の誤読」などよりは遙かに大きな「キャンペーン」に値する問題であった筈だ。
阿比留記者が僕のエントリに戴いたコメントで阿比留記者ご自身が関与した詳細な記事のリストを書き出して戴いた。
このリストの日付を見渡しても9月25日以降の既に船長がチャーター便で超法規的釈放で帰国した後の「後の祭り」の中で安全圏から振り返って、
民主党政権の対応を「非難」して見せる構図にしか見えないのです。
確かに9月25日以降の阿比留記者の記事はそれ自体立派なものですよ。
しかし、ご自身のブログに書かれている事と同様に僕には「アリバイ」にしか見えなかった分けです。
今更こんな事を書かれても・・と云う空しさを感じました。
何故、「
指揮権発動」に関しては不問だったのか、一検事正の判断と「うそぶいた」仙石の説明を何故事実上放置したのですか?
産経新聞も阿比留さんもこの問題を一斉に対中国の外交問題にすり替えて「弱腰外交」だの「歪んだ政治主導」だのと問題にして騒ぎました。
しかし、「
指揮権発動」の「有無」に関わる「核心」を「外交問題」よって隠蔽した事にしかなっていない様に僕は感じます。
「外交問題」は「国家主権問題」ですが、「
指揮権発動」は国家の「法理問題」であって全く別次元で捉えて並列的に同時に追求されるべき問題です。
麻生内閣の実績が「ホテルバー」でかき消されて良い筈が無いのと同じく、尖閣での政府の「法理責任」が「外交問題」で覆い隠されて良い筈はありません。
外交問題は外交問題で追及するのは当たり前の話ですが、「超法規的釈放」を一検察官の判断と責任転嫁した政府発表を厳しく追求するのも国家正義と政権の正当性の問題として当然なすべき重要事項ではないですか?
百歩譲って本当に船長釈放が沖縄地検の検事正の「外交判断」で行われたのであるならば、この検事正は「職権乱用罪」と「国家公務員法」の職務忠実義務違反の嫌疑は生じ、法務大臣は「
検事総長」を含めてこの検事の独断を「処罰」しなければなりません。
まして、その後の「
検察審査会」でこの船長が「
起訴相当」と決議され検察の不法行為が明確になったにも関わらず、この核心部分は完全にスルーして政府や検察を「この観点」から追求する事はなく
民主党政権は「内弁慶」だの「論点すり替え」だの外交問題に特化して、それも後出しの伸びきったうどんの様な「正論」に終始して居ませんでしたか?
結局産経新聞は政府の「
指揮権」問題を不問にし隠蔽し、更に政府の説明が事実ならば「沖縄地検」の不法行為も隠蔽する事に加担した「結果」になっていると云う事です。
政府の外交の弱腰を「事終わって」から非難しても何の役にたつたでしょうか?寧ろの国民や正義に対して全く「不実」で「正義」のない
民主党政権の「擁護」にしかなって無い事をここでも繰り返しているではないですか?
外交の為に国家の「法理」の責任を不問にして良い筈は有りません。そしてそれを追求し真実を暴けるのはマスコミしか有りません。それを産経新聞に期待するのは酷ですか?
「超法規的釈放」問題は絶対法理の問題であって「外交問題」の様な「相対問題」とは別次元の「政権の正当性」の問題なのですよ。
もっと云えば船長釈放問題は、中国の圧力で日本国の「法理」を捨てたと云う事ではないですか?これはゆゆしき国家の根幹に関わる問題でしょう。
この現実に対して産経新聞や阿比留さんは「記者」としてどのように「対峙」されましたか?
この問題の本質を突くためには「外交問題」より「法理問題」で核心を曝くしか有りません。
野党
自民党の無能の所為もありますが、新聞には新聞の役割と出来る事が有るでしょう。
私が言っている事は酷な事でしょうか?
恐らく阿比留さん個人は僕が敬愛する「にやんこさん」が擁護される通りに素晴らしい誠実な方なのでしょう。実際に阿比留さんにお会いしたと云う「にゃんこさん」が云われる事ですから私は無条件に信じます。
しかしながら「報道」と結果である「紙面」を通してみると別の不満が生じて来る事も偽らざる実感であります。
多分、大方の読者も「sono さん、そんな事言ったって」と冷ややかでありましょう。しかし、僕は少なくとも産経新聞にはまだまだ過分な「期待」をしていたいのです。産経新聞が日本のマスコミに残された最後の「良質」であって欲しいからです。
その「良質」とは何か?
ご都合主義の親米でも反中国でも無く、増して昨今の産経の様な「
韓流」でも無く、骨太の正当な「保守」であって欲しいからです。
昨今の産経新聞には「保守」の臭いすらしません。
「保守」擬きのブリキのバッチを時々安っぽく光らせるだけです。
阿比留さんには不愉快で不当に感じられる一連のエントリーであったと思います。
しかしながら敢えて私は阿比留さんに詫びる積もりは無い。
阿比留さんに頑張って欲しいからです。
生身の人間ですから「出来るだけ」で良いです。
その気持ちさえ持ち続けて戴ければと願います。
阿比留さん、コメントありがとう御座いました。
阿比留さんから戴いたコメントをここに引用させて戴きます。
☆
阿比留瑠比 さん
当時、尖閣関連で書いた記事は署名記事だけで
【敗北 尖閣事件(上)】歪んだ「政治主導」9月25日付
【敗北 尖閣事件(中)】戦略なく〝思考停止〟9月26日付
鳩山前首相に引退を勧める 同日付
日中会談に釣られるな 9月29日付
外交課題、国民に転嫁 内弁慶ぶり露呈 10月1日付
【尖閣衝突】ビデオ公開先延ばし 10月9日付
愚かな内閣から卑怯な内閣へ 同日付
「語るに落ちた」仙谷氏 10月18日付
度しがたき民主党外交の無能と卑怯 正論12月号
主権に鈍感な首相、日本を不幸にする 11月2日付
尖閣ビデオ流出、内部告発か 11月6日付
【尖閣ビデオ流出問題】菅政権、論点すり替え 11月11日付
仙谷氏、笑えぬ〝喜劇〟に磨き 11月13日付
国民との信頼関係なき漂流 11月13日付
【横浜APEC2010】成果自賛、中身は隠蔽 11月16日付
謝罪、撤回、政権末期の様相 11月18日付
仙谷氏の本質あらわ 11月19日付
【自由が危ない!!】民主、説明放棄が横行 11月22日付
足を引っ張る仙谷氏 11月27日付
「逃げ」が本質の菅政権 12月5日付
……などがありますし、もちろん、署名以外でもさまざまな角度から非をならしてきました。正直、読まずに批判されているとしか思えません。
阿比留瑠比 さん
sonoraone-3様
ご批判には耳を傾けたいと思いますが、この問題について私が産経で何を書いてきたかご存知ですか?一昨年の9月24日からどれだけのことを指摘し、署名で書いてきたかと思うと、この反応には正直、不思議にすら思います。
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